先日、仕上げのドライヤーを終えて鏡をご覧になったお客様が、「美容室の後って、どうしてこんなに手触りがいいんだろうね」と、ふと笑顔でおっしゃいました。

美容室の帰り道、風に揺れる自分の髪に思わず嬉しくなったり、何度も触りたくなったりした経験は、きっと誰にでもあるのではないでしょうか。特別なトリートメントをしたからというのもありますが、実はそれだけではないんです。

美容室での仕上がりがきれいに見える大きな理由は、「髪の水分バランスと、乾かし方」にあります。髪は濡れている状態から乾くまでの間に、形が記憶されます。私たちはサロンで、そのくせや生えグセを見極めながら、根元からしっかりと風を通し、キューティクルがピタッと閉じる方向にブラシや手のひらを添えています。いわば、髪の一本一本の「毛流れ」をきれいに整えてからお帰りいただいているんですね。

これを毎日のご自宅で再現しようとすると、つい「高級なドライヤーを使わなきゃいけないのかな」とか「難しいテクニックが必要なのかな」と思いがちですが、そんなことはありません。美容室の仕上がりに近づける一番の近道は、実はとてもシンプルなことなんです。

それは、お風呂上がりに「できるだけ早く、髪の根元からしっかり乾かす」こと。毛先から乾かしてしまうと、パサつきや広がりが出てしまう原因になります。まずは一番乾きにくい地肌や根元にドライヤーの風をしっかり当て、最後に上から下へ向かって風を通してあげる。これだけで、キューティクルが整って自然なツヤが生まれます。

毎日の忙しさの中で、自分の髪にゆっくり向き合う時間を取るのは難しい日もありますよね。でも、乾かし方のちょっとした順番を意識するだけで、翌朝のまとまりが少しずつ変わっていきます。ぜひ今夜のドライヤーのとき、根元から風を通すことを少しだけ思い出してみてくださいね。上天草の心地よい風を感じながら、今日もご自身の髪をやさしく労わってあげましょう。