先日、椅子に腰かけられたお客様が「最近、毛先の色抜けが気になるのよね」と鏡を見ながらぽつりとおっしゃいました。季節の変わり目ということもあり、お肌だけでなく髪色や質感の変化にふと気づく瞬間ってありますよね。お気に入りの色をずっとキープしたいと思いつつ、繰り返すカラーが髪の負担になっていないか、ふと心配になる方も多いのではないでしょうか。

美容室でカラーをするとき、実は「新しく伸びてきた根本の部分」と「すでにカラーを何度も経験している毛先部分」で、お薬の強さや塗り方を変えているのをご存知でしょうか。髪の毛は、根本から離れるほど紫外線や日々のシャンプー、ドライヤーの熱などでダメージが蓄積し、いわば「デリケートな状態」になっています。そこに毎回、根本と同じ強いお薬を毛先までたっぷりつけてしまうと、髪の中の栄養分がどんどん外に出てしまい、パサつきや色ムラ、さらには褪色の原因になってしまうんです。料理に例えるなら、しっかり火を通したい食材と、すでに柔らかくなっていてサッと温めるだけでいい食材を、一緒のタイミングで鍋に入れないのと同じようなものですね。

だからこそ、スキップでは「今の髪の状態がどこを一番必要としているか」をとても大切にしています。毎回すべての髪を同じように染めるのではなく、根本はしっかり染めて美しく整え、毛先は栄養を補いながら優しく色味を補う。この「染め分け」を丁寧に行うことで、カラーを楽しみながらも、手触りのいいまとまりのある髪をキープしていくことができます。流行りの派手な色や一時的なケアに飛びつくよりも、今日のご自身の髪の状態にそっと寄り添った塗り方を選ぶこと。それが、長くヘアカラーを心地よく楽しむためのいちばんの近道なのかなと感じています。

お家でのケアとしてできるのは、シャンプーのあとに少しだけ目の粗いコーム(クシ)を使ってトリートメントを全体になじませてあげること。それだけでも、お薬や日常のダメージで絡まりやすくなった髪の表面が整い、指通りがふんわりと軽やかになりますよ。季節の移り変わりに合わせて、髪色も少しずつ優しく労ってあげてくださいね。また上天草の風を感じがてら、髪のお悩みをご相談にいらしてください。