先日、中学生になったばかりの息子さんと一緒にご来店されたお母さんが、鏡越しにポツリとこんなことをお話ししてくれました。

「この子、最近くせ毛がひどくなってきて。いっそ野球部みたいに一回丸坊主にしたら、真っ直ぐな髪が生えてきたりしませんかね?」

冗談めかしてはいましたが、毎朝お子さんの寝癖と格闘しているお母さんの、ちょっとした本音が混じっていたように思います。忙しい朝の準備、本当に大変ですよね。

実はこれ、昔からよく話題にのぼる「髪の都市伝説」なんです。

結論から言ってしまうと、一回丸坊主にしたからといって、くせ毛がストレートになることはないんです。期待させてしまったらごめんなさいね。

髪の毛の「くせ」というのは、頭皮のずっと奥にある毛根の形などで決まります。
お庭の植物を想像していただくとわかりやすいかもしれません。表面の葉っぱをハサミで短く切っても、土の中の根っこの形は変わりませんよね。それと同じで、髪をいくら短く刈り上げても、根っこの形が変わらない限り、また同じようにくせ毛が生えてくるんです。

じゃあ、なんでそんな噂があるんでしょうか。

実は、子供から大人へと体が成長する中学生くらいの時期って、ホルモンのバランスで髪質がガラッと変わることがよくあるんです。サラサラだったのに急にうねりが出たり、逆にくせ毛が落ち着いたり。
ちょうどその時期って、部活などで丸坊主にする男の子が多いですよね。
たまたま丸坊主にしたタイミングと、成長で髪質が変わったタイミングが重なったのを見て、「丸刈りにしたから髪質が変わったんだ!」と勘違いしてしまったのが、この噂の正体なんです。

くせ毛は決して「直さなきゃいけないもの」じゃありません。その人だけの素敵な個性なんですよ。

もしお家でくせ毛を少しでも扱いやすくしたい時は、お風呂上がりのドライヤーの当て方を少しだけ変えてみてください。
髪が濡れているうちに、根元を指で優しくこするようにしながら、いろんな方向から風を当てて乾かすんです。そうすると、根元のくせが自然にほぐれて、翌朝のまとまりがフワッと良くなりますよ。特別な道具はいらないので、よかったら今夜から試してみてくださいね。

毎日の髪の扱いに少し疲れてしまった時は、いつでもスキップのドアを開けてみてください。
無理に丸坊主にしなくても、くせを活かしたカットや、毎日のお手入れが少しでも楽になる方法を、鏡の前でリラックスしておしゃべりしながら、一緒にゆっくり探していきましょうね。