最近、お客様がスマホの画面を見せながら、「こんな感じのスタイルにしてみたいんです」と教えてくださることが増えました。

でも、そのあとに「…でも、私には似合わないかもしれないんですけどね」と、少し恥ずかしそうに付け加えられることがとても多いんです。

鏡越しにそのちょっと控えめな笑顔を見ていると、「似合う髪型」と「なりたい髪型」の間で迷ってしまうお気持ち、すごくよく分かります。

雑誌やSNSで見かける素敵なヘアスタイルは、骨格も髪質も違うモデルさんが、プロのカメラマンと照明の中で撮影したものだったりしますよね。だから「自分がやったらどうなるんだろう?」と不安になるのは当然のことです。

これは、お洋服のお買い物にも少し似ているかもしれません。ショーウィンドウのマネキンが着ている服が素敵で試着してみたけれど、なんだかしっくりこない。それは決してご自身に魅力がないわけではなく、単に服の形と自分の持ち味がほんの少しズレているだけなんですよね。

髪もまったく同じです。「なりたい髪型」がそのまま自分にピッタリ当てはまらなくても、諦める必要はありません。

私は、お客様の「こんな風になってみたい」というワクワクする気持ちこそが、一番大切だと思っています。

ですから、その気持ちを押し殺してまで無難なスタイルを選ぶのではなく、お客様の骨格や髪の生え癖、そして毎日のお手入れのしやすさなどを考慮しながら、「なりたい雰囲気」を「あなたに似合う形」へと少しずつ翻訳していくお手伝いをしています。

流行りの複雑なカットや特別なメニューに頼らなくても、前髪の幅を数ミリ変えたり、顔まわりに落ちる髪の長さを少し調整するだけで、憧れのスタイルが驚くほど自然にご自身に馴染んでいくんですよ。

もし今、気になっている髪型があるなら、「私には無理かも」と思わずに、ぜひ遠慮なく教えてください。「この写真の、このふんわりした感じが好きなんです」といった、小さなポイントだけでも十分です。

お家でも、いつもの分け目をほんの1センチずらしてみたり、片側だけ髪を耳にかけてみたりするだけで、お顔の印象はパッと変わります。そんな小さな変化を楽しむことから、新しい自分探しを始めてみるのもいいですね。

髪は、もっと自分を好きになるための大切なパートナーです。肩の力を抜いて、一緒にあなただけの「似合う」を見つけていきましょうね。