
「いつも右側だけ外にハネちゃうんです。なんで左右で違うんでしょうね?」
先日、鏡越しにお客様からそんなご相談を受けました。毎朝鏡の前で、左はスッと内側に入るのに、右だけがどうしても言うことを聞いてくれない。ブラシで丁寧にブローしても、お出かけ前にはまたピョンと外を向いている。そんなご経験、きっと多くの方がお持ちではないでしょうか。
実はこれ、ご自身の髪質やお手入れが悪いわけではないんです。原因の多くは、頭のてっぺんにある「つむじ」の巻き方にあります。
日本人の多くはつむじが「右巻き(時計回り)」だと言われています。右巻きの渦の流れに沿って髪が下りてくると、左側は自然と内側に収まるようにカーブを描くのですが、右側は流れが前へ前へと向かうため、肩や首筋に当たると外側にハネやすくなる仕組みなんです。例えるなら、川の流れのようなもの。自然な水流の向きによって、右岸と左岸で水の当たり方が変わるのと同じですね。だから「私、不器用だから上手にまとまらないのかな…」なんてご自分を責めないでくださいね。
美容室には、クセを真っ直ぐにする技術もたくさんあります。でも、スキップでは「ハネる=直さなければいけない欠点」とは考えていません。
無理に強いお薬で押さえつけたり、毎朝アイロンでガチガチに固めたりするのは、髪にとっても心にとっても少し窮屈になってしまう気がするんです。もともと持っている髪の自然な流れは、その方だけの個性です。左右対称の完璧なシルエットを目指すよりも、ちょっとしたハネすらも軽やかな動きとして楽しめるような、そんな「等身大のスタイル」を一緒に見つけていけたらなと思っています。
もし毎朝のハネが気になるときは、夜のドライヤーの当て方を少しだけ工夫してみてください。ポイントは「毛先」ではなく「根元」です。
ハネやすい右側を乾かすときは、ドライヤーの風を後ろから前に向かって当てながら、地肌を指の腹で優しくこするように乾かしてみてください。根元の生えぐせがふんわりとリセットされると、毛先も自然と素直になってくれますよ。
きっちり左右同じじゃなくても大丈夫。少しのハネは、ふわりと風になびくような愛嬌です。明日も鏡の前の時間が、少しでもホッとできる穏やかなものになりますように。