
最近、お店の鏡越しにお客様とお話ししていると、「そろそろ白髪染め、やめようかなって思ってるのよね」とポツリとこぼされることがあります。
毎月きっちり染めて綺麗に保ちたい気持ちがある一方で、根元が少しでも白くなってくると「あ、また染めなきゃ」と追われるような感覚になってしまう。いつの間にか、白髪染めがちょっとした義務のように重く感じてしまうこと、ありますよね。そんなお声を伺うと、ふとその方の肩の力を少しでも抜いてあげられたらな、といつも思います。
白髪が気になり始めるのって、カレンダーに毎月やってくる締め切りのようなものです。お料理で例えるなら、毎日完璧なお出汁をとって一汁三菜を作らなきゃいけないようなプレッシャーに似ているかもしれません。本来、髪が少しずつ白くなっていくのは自然な変化なのに、それを「隠し続けなきゃいけない」と思うと、心も髪も少し息苦しくなってしまいますよね。
美容室スキップでお客様と向き合っていると、「白髪=隠さなければならないもの」というルールなんて、本当はどこにもないんだなと感じます。最近はグレイヘアという言葉もすっかり定着しましたが、だからといって「今日からパツンと染めるのをやめて、真っ白にしましょう!」というのも、極端でハードルが高いですよね。
私たちが大切にしたいのは、「染めるか、やめるか」の二択ではなく、その間にあるグラデーションを楽しむこと。少しずつ明るい色を混ぜて白髪との境目を優しくぼかしてみたり、今の髪の状態に合わせて自然に馴染む色合いを探したり。流行りのメニューに無理に合わせるのではなく、目の前のお客様のライフスタイルや、今の気持ちに一番しっくりくる「等身大のバランス」を一緒に見つけていくことを大切にしています。
もし今、「白髪染め、どうしようかな」と迷っているなら、まずはご自宅でいつもと違う分け目にしてみるだけでも、根元の見え方が変わって新鮮な気分になれますよ。ドライヤーをかけるときに、ふんわりとトップにボリュームを持たせるように乾かすと、白い部分も自然に馴染みやすくなります。
無理にやめなくてもいいし、急いで決断しなくても大丈夫。髪の変化に合わせて、ご自身の心が一番ホッとできるスタイルを、ゆっくり一緒に探していきましょう。