
最近、お店に自転車で来てくれる男子高校生のお客様をカットしていて、ふと気づいたことがあります。
鏡越しに「今日は前髪どうする?」と尋ねると、高確率で「あ、目にかかるくらいで…」とはにかみながら答えてくれるんです。本当に、びっくりするくらい長めの子が多いんですよね。
親御さんや大人から見ると、「目に入って痛くないのかな?」「もっとスッキリおでこを出したほうが爽やかなのに」なんて、つい思ってしまうかもしれません。
でも、彼らにとってあの長い前髪は、ただの流行りのヘアスタイルというだけではなく、ちょっとした「安心感のフィルター」のようなものなのかな、と感じています。
思春期の、色々なことに敏感で、まだ少し柔らかい心を守るための、小さなカーテン。前髪越しに見る世界は、少しだけ自分だけのパーソナルスペースが守られているような気がして、落ち着くのかもしれませんね。
これって、実は大人にも同じことが言えるんです。
前髪の長さや重さって、その時の気分や心の状態にとても密接に繋がっています。「なんだか今日は顔をあまり出したくないな」という時は長めに残したくなりますし、「新しいことを始めたい!」「気分をパッと明るくしたい!」という時は、不思議と短くしたくなったり、おでこを出したくなったりするものです。
髪の毛は、顔の印象を決める額縁であると同時に、心の状態をそっと映し出す鏡のような存在なんですよね。
だからこそ、スキップでは「高校生はこうあるべき」「今はこれが流行っているから」といった基準で、無理に短く切るようなことはしません。
その子が今、一番心地よいと感じるバランスを尊重したいからです。
ただ、本当に目に入って視力が落ちてしまったり、生活しづらかったりするのは困りもの。なので、「長さ」は彼らの希望通りに残しつつも、内側にほんの少しだけハサミを入れて隙間を作ってあげます。そうすることで、重たい印象にならず、風が吹いたときに自然に流れるような「扱いやすさ」を忍ばせることができるんです。
この「心地よさと扱いやすさの両立」は、大人の女性の髪を切るときも全く同じです。
もし今、前髪を伸ばし中だったり、長めのスタイルを楽しみたいと思っている方は、毎日のスタイリングで「隙間」を少し意識してみてください。
前髪全体をベタッと下ろすのではなく、クシでとかした後に指先で軽くつまんで、おでこがチラッと見える隙間を作ってあげる。それだけで、長さはキープしたまま、表情がパッと明るく、柔らかく見えますよ。
前髪の数ミリは、気分の数ミリ。
「なんだか気分を変えたいな」「今の自分に一番しっくりくる髪ってなんだろう?」
そんな風に迷ったときは、いつでもスキップの鏡の前に座りに来てくださいね。今のあなたの気分に寄り添いながら、ちょうどいいバランスを一緒に見つけていきましょう。