
上天草も少しずつ季節が移ろい、風の匂いが変わってきましたね。朝方、少し涼しくなってきて、最近お店で「今回は切らずに、少し伸ばしていこうかな」とおっしゃるお客様が増えてきたように感じます。鏡越しに「どのくらいまで伸ばしましょうか?」とお話ししていると、なんだかこちらまでワクワクしてきます。ただ、その一方で「伸ばしかけの時期って、どうしても途中でどうせ諦めたくなるのよね」というお声もよく耳にします。
髪を伸ばしている途中、とくに肩に当たるくらいの長さになると、どうしても毛先がハネたり、まとまりづらくなったりしますよね。これは、ちょうどお洋服の襟ぐりや肩のラインに髪が触れて、摩擦が起きやすい長さだからなんです。例えるなら、植物を育てている時に、鉢が少し窮屈になってきて、枝葉が思い思いの方向に伸びてしまうような状態かもしれません。毎日鏡を見るたびに「なんだか決まらないし、やっぱり切ってしまおうかな」とハサミを入れたくなるお気持ち、とてもよくわかります。
世の中には「髪を早く伸ばすための特別なメニュー」や色々なヘアケア商品が溢れていますが、本当に大切なのは「今の長さを楽しみながら、無理なく付き合っていくこと」だと感じています。ただ放置して伸ばすのではなく、毛先の引っかかりを少しだけ整えたり、前髪や顔周りのニュアンスを変えてみたり。そうやって「伸ばしかけの自分」も好きになれたら、髪を育てる時間がぐっと楽しくなるはずです。無理をして高価なものを取り入れなくても、髪は少しずつ、確実に応えてくれます。
もし、伸ばしかけでまとまらないなと感じた時は、無理に真っ直ぐにしようとしなくても大丈夫です。少し毛先を巻いて動きを出してみたり、お気に入りのヘアクリップでサッと留めてみたりするのも素敵ですよ。お家でのケアも、シャンプーの時にお湯の温度を少しだけぬるめに設定してあげると、髪への負担が和らぎます。髪を伸ばす道のりは、自分自身を大切に育む時間でもあります。途中で気分を変えたくなったら、いつでも気軽にご相談くださいね。とくに頑張る必要はありません。カットするのを忘れてるぐらいが一番ちょうどいいのですが、たまにはお店で、一緒に髪の成長を見守らせていただけたら嬉しいです。