「この写真みたいにしてください」とスマホの画像を見せていただくこと、お店でもよくあります。でも、いざ仕上がったときや、次の日の朝ご自身で鏡を見たときに「あれ? なんか思ってたのと違う…」と感じた経験、ありませんか?

先日いらっしゃったお客様とも、ちょうどそんなお話をしていました。鏡越しに少し不安そうな表情をされていて、「いつも美容室の翌日は、うまくセットできなくて…」とポツリと教えてくださったんです。

この「思ってたのと違う」という現象、実はすごくよくあることなんですよ。少し日常のことに例えてみると、お洋服のネットショッピングに似ているかもしれません。モデルさんが着ている素敵な服を買ってみたけれど、自分の体型や手持ちの靴と合わせてみると「あれ? なんだかイメージと違うかも」となること、ありますよね。

髪も全く同じで、カタログやSNSの写真は「そのモデルさんの骨格や毛量」に合わせて、「プロがアイロンでしっかり巻いて、スタイリング剤を完璧につけた状態」であることがほとんどです。それを、お家でササッと乾かしただけの日常で全く同じように再現するのは、どうしても難しかったりするんです。

今はSNSを開けば、目を引くような華やかなスタイルや、特別な技術を使ったメニューがたくさん流れてきます。もちろんそれも素敵なのですが、私が大切にしたいのは、お客様が「お家で毎日、無理なく笑顔で過ごせるか」ということです。

美容室にいる時間よりも、お家で過ごす時間の方が圧倒的に長いですからね。その方の髪のクセ、つむじの向き、そして何より「朝はどれくらい髪に時間をかけられるか」という生活のペース。そこを無視して、ただ写真通りに形を作るだけでは、本当の意味でしっくりくるスタイルにはならないのかな、と思っています。

そこで、お家でも「思ってた通り!」を叶えるためのちょっとした工夫を一つ提案させてください。美容室でなりたいスタイルを伝えるとき、写真と一緒に「普段の自分」のことも少しだけ教えてもらえませんか?

「朝は5分しか時間がないんです」「アイロンは苦手で…」「仕事中は結びたいです」など、どんなことでも構いません。その「日常の様子」を教えていただけるだけで、「じゃあ、乾かすだけでまとまるように、ここの長さは残しましょうね」と、あなたに一番フィットする形にアレンジすることができます。

髪型は毎日のことだからこそ、無理をして作り込むよりも、ご自身の生活にスッと馴染むのが一番です。明日からの毎日が、少しでも心軽やかになるようなスタイルを、一緒に見つけていけたら嬉しいです。