
今日、鏡越しにお客様とお話ししているとき、「そういえば、髪の分け目って昔から全然変わらないんですよね。これって普通ですか?」という話題になりました。
確かに、無意識のうちに手ぐしを通すと、いつも同じところでパカッと分かれてしまうことってありますよね。鏡に映るいつもの自分の顔。同じ分け目だと見慣れた安心感がありますし、朝のセットも迷わずパパッと決まったりします。
分け目がいつも同じ場所になるのは、決して珍しいことではありません。毎日同じ方向に髪を流していると、毛根や頭皮がその向きを「ここがいつもの定位置だね」と覚えてしまうんです。例えるなら、ふかふかの芝生の上を毎日同じルートで歩いていると、そこだけ草が寝て自然と一本の「道」ができるような感覚に似ています。
ただ、少しだけ気にかけてあげたいのが、頭皮への負担です。いつも同じ場所で分かれていると、その「道」の部分だけが外の紫外線を直接浴び続けたり、髪の重みで地肌が引っ張られやすくなったりします。大人世代になってから「なんだかトップのボリュームが出にくくなったかも」と感じる原因のひとつに、この「分け目の固定」が隠れていることも少なくありません。
雑誌やネットなどでは「分け目は定期的に変えないと大変なことに!」なんて少し焦らせるような言葉を見かけることもありますが、あんまり神経質にならなくても大丈夫ですよ。
美容室スキップでは、高価な育毛アイテムや特別なメニューを慌てて取り入れる前に、まずは「髪と頭皮に少しだけお休みをあげること」をおすすめしています。無理に全く違うヘアスタイルにしなくてもいいんです。「いつもより1センチだけ横で分けてみる」とか、「くしのお尻を使って、たまにはジグザグに取ってみる」くらいで十分。それだけでも、ペタンとしていた髪の根元がフワッと立ち上がって、鏡のなかにいつもと少し違う新鮮な表情の自分を発見できたりするものです。
お家で簡単にできるおすすめの工夫は、夜のお風呂上がりのドライヤーの時間を活用することです。髪が濡れている時は、根元の癖をリセットする大チャンスなんですよ。いつも右から左に流しているなら、乾かす時だけは左から右へ、あえて逆方向から風を当ててみてください。指の腹で地肌を優しくこするようにしながら、いろんな方向から風を送ってあげると、翌朝ふんわりとした自然なボリュームが出やすくなります。
「私の分け目は絶対にここ」と決めつけすぎず、その日の気分や風の吹くままに、少しだけ髪の表情を変えてみる。そんな小さな変化を、日々の暮らしの中で無理なく楽しんでいただけたら嬉しいです。