最近、鏡の前でお客様がご自身の髪を触りながら、「もう、とにかく量が多くて嫌になっちゃう。限界までたくさんすいて、軽くしてください!」とおっしゃることがありました。
上天草の海風も少しずつ変わり、季節の移ろいとともに髪がうまくまとまらないと、つい手っ取り早く量を減らしたくなりますよね。そのお気持ち、すごくよく分かります。朝の忙しい時間に、鏡の前で広がる髪と格闘するのは本当に大変ですから。

でも実は、「ただ量を減らすだけ」というのは、かえって扱いづらくなる原因になってしまうこともあるんです。

たくさん髪をすくということは、髪の内側に「短い髪の毛」をたくさん作るということになります。切ったその日はすっきりして軽く感じるのですが、数週間経ってその短い髪が少しずつ伸びてくるとどうなるでしょう。短い髪が下から長い髪をグッと押し上げてしまい、結果的に前よりもボリュームが出て、パサつきや広がりが気になり始めてしまうんです。
お庭の木の剪定に少し似ているかもしれません。むやみに枝を切り落とすと、そこから細い枝がワサワサと不自然に生えてきて、かえってまとまりがなくなってしまうことがありますよね。髪も同じで、全体のバランスを見ながら「空間」を作ってあげることが大切なんです。

スキップでは、ただ軽くするのではなく、「髪の重さを味方につける」ようなスタイルをご提案できればと思っています。
髪が多いことや、一本一本がしっかりしていることは、決してマイナスなことではありません。むしろ、ツヤを出しやすかったり、綺麗なシルエットを作りやすかったりと、とても素敵な個性でもあります。
無理に削いでスカスカにしてしまうより、毛先のまとまりを残しつつ、内側に適度な空気の通り道を作ってあげる。そうすることで、手ぐしでサッと直せるような、自然で心地よいスタイルが生まれます。

お家でのちょっとした工夫としては、ドライヤーで乾かすときに「上から下へ」風を当てるように意識してみてください。これだけで、髪の表面が整ってボリュームが自然に落ち着きやすくなりますよ。
そして仕上げに、お好みのヘアオイルを少しだけ、内側と毛先を中心に馴染ませてあげるのもおすすめです。

自分の髪質と無理に戦うのではなく、「これも私らしいな」と少しでも好きになってもらえたら嬉しいです。髪がまとまると、心がフワッと軽くなって、一日がちょっとだけご機嫌に過ごせますよね。明日もどうか、リラックスした良い日になりますように。